「うちの病院も、もうすぐ新しい電子カルテになるらしい」「パソコン操作は苦手だから不安…」
現在、国の方針として、全国の医療機関で電子カルテの情報を共有・連携しやすくするための「標準化」が進められています。これに伴い、多くの病院で電子カルテシステムの更新や新規導入が予定されており、看護助手の業務、特に「記録」のやり方が大きく変わろうとしています。
しかし、これは決して難しい話ではありません。変化のポイントを正しく理解し、事前に準備すれば、むしろ業務の効率化や負担軽減に繋がる大きなチャンスです。
この記事では、電子カルテの統一化によって看護助手の記録業務がどう変わるのか、そしてその変化にスムーズに対応するための具体的なポイントを解説します。
これまで、電子カルテの形式はメーカーや病院ごとにバラバラで、他の病院との情報交換が難しいという課題がありました。この課題を解決し、より質の高い医療を提供するために、国は電子カルテの情報を統一された形式で管理・交換できるようにする「標準化」を推進しています。
電子カルテの導入・更新によって、看護助手が担当する記録業務には、主に以下の3つの変化が起こります。
これまで手書きだったケアの記録やバイタルサインなどを、パソコンやタブレット端末を使って入力するようになります。
自由記述欄が減り、「食事量:全量摂取、半分摂取、1/3摂取」のように、決められた選択肢から選んで記録する項目が増えます。これは、データを標準化し、後から分析しやすくするためです。
看護助手が入力した情報(例:排泄の記録)が、即座に医師や看護師の端末にも共有されます。これにより、チーム全体で患者さんの最新の状態を常に把握できるようになります。
「パソコンが苦手…」という方も、心配はいりません。以下の3つのポイントを意識すれば、誰でもスムーズに新しいシステムに適応できます。
いきなり難しいスキルは必要ありません。まずは、電源の入れ方、マウスの操作、キーボードでの文字入力(両手でなくてもOK)といった基本操作に慣れておきましょう。スマートフォンのフリック入力に慣れている方は、タブレットでの入力はすぐに習得できるはずです。
新しいシステムの導入前には、必ず院内で研修会が開かれます。積極的に参加し、わからないことはその場で質問しましょう。配布されるマニュアルは、いつでも見返せるように保管しておくことが大切です。
最も大切なのは、恐れずに実際にシステムを触ってみることです。最初は時間がかかっても、毎日使ううちに必ず慣れていきます。同僚と操作方法について教え合うのも良い方法です。
電子カルテの統一化は、看護助手の記録業務を大きく変えますが、それは私たちの仕事をより効率的で、より質の高いものにするためのポジティブな変化です。
パソコンが苦手という方も、これを機に新しいスキルを身につけるチャンスと捉えてみましょう。正確な記録は、患者さんの安全を守り、チーム医療に貢献するための第一歩です。変化を前向きに受け入れ、日々の業務に活かしていきましょう。
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