患者さんの体位変換は、看護助手にとってとても大切な業務の一つです。患者さんの健康と快適な療養生活を支えるために、なぜ体位変換が必要なのか、どのように行えば良いのか、一緒に確認していきましょう。
体位変換の主な目的は、褥瘡の予防です。同じ体勢で長時間いると、体重がかかる部分の血行が悪くなり、皮膚が傷つきやすくなります。これが褥瘡の原因になります。また、体位変換は、呼吸を楽にしたり、食事をしやすくしたり、患者さんの苦痛を和らげる効果もあります。患者さんが少しでも楽に過ごせるように、そして合併症を防ぐためにも、体位変換はとても重要なのです。経験上、褥瘡の発生は、患者さんのQOLを大きく下げてしまいます。私自身、褥瘡ができてしまった患者さんのケアを経験しましたが、本当に辛そうでした。体位変換をしっかり行うことで、患者さんの苦痛を減らし、より良い療養生活をサポートできます。
体位変換の頻度は、患者さんの状態によって異なります。一般的には、2~3時間ごとに行うことが多いです。しかし、患者さんの皮膚の状態、体格、病状などを考慮して、医師や看護師の指示に従いましょう。皮膚が弱い方や、すでに褥瘡のリスクがある方には、より頻繁な体位変換が必要になることもあります。具体的な方法としては、仰臥位(あおむけ)、側臥位(横向き)、半座位などがあります。
それぞれの体位で、体のどの部分に圧力がかかっているかを確認し、クッションや体位変換用の枕などを活用して、圧力を分散させることが大切です。患者さんの身体を移動させる際は、無理な体勢にならないように、声をかけながらゆっくりと行いましょう。もし患者さんが痛みを感じたら、すぐに中止して、看護師に報告してください。
体位変換をサポートするアイテムはたくさんあります。例えば、体圧分散マットレス、エアマット、体位変換クッション、三角クッションなどです。これらのアイテムを適切に使うことで、患者さんの負担を軽減できます。アイテムの選び方や使い方については、看護師に相談してみると良いでしょう。体位変換を行う際には、患者さんの全身状態を観察することも大切です。呼吸の状態、皮膚の色、痛みの有無などを確認しましょう。また、体位変換前後の患者さんの訴えにも耳を傾け、変化があれば看護師に報告してください。記録も忘れずに行いましょう。何時何分にどんな体位にしたのか、皮膚の状態はどうだったのかを記録することで、より質の高いケアに繋がります。
詳しくは「患者さんの食事介助で困っていませんか?看護助手が教える、安全でスムーズに進めるための具体的な手順と注意点」でも現場のポイントを詳しく解説しています。
できたこと・うまくいかなかったことを素直にメモして振り返る