深夜の静まり返った病棟。時計の針の音だけが聞こえるナースステーションで、独り、あるいは少数のスタッフで患者さんの平穏を守る。看護助手の夜勤は、昼間とはまた違った緊張感に包まれています。
夜勤明けの朝、外の空気はこんなに爽やかなのに、自分の心だけが重く沈んでいる。そんな経験はありませんか。たっぷりと眠れば回復するはずの「体の疲れ」とは別に、どれだけ休んでも取れない「心の疲れ」が、澱(おり)のように溜まっていく感覚。
「夜勤、もうつらいのかもしれない」
今回は、そんな夜勤のしんどさの正体と、その重たさを抱えながら歩んでいるわたしの、正直な想いをお話ししてみます。
夜勤の何が一番つらいのかと聞かれたら、わたしは「孤独感」だと答えるかもしれません。
もちろん、看護師さんがそばにいてくれる安心感はあります。でも、広い病棟を一人で巡回し、患者さんの異変がないかを確認し、時として予期せぬ事態に対応しなければならない。その一つひとつの判断の責任が、暗闇の中でより一層重く感じられるのです。
誰もいない廊下で自分の足音を聞きながら、「いま、ここで何かが起きたら自分はどう動けるだろう」と、最悪のシナリオを繰り返してしまう。そんな神経をすり減らすような緊張感が、数時間、十数時間と続く。この「見えない重圧」こそが、体よりも先に心を疲弊させていたのだと、最近になってようやく気づきました。
夜勤を続けていると、世界から自分だけが取り残されていくような感覚に陥ることがあります。
世の中の人が一日の終わりを告げ、家族や友人と過ごしている時間に、自分は職場へ向かう。朝の眩しい光の中で、眠い目をこすりながら帰路につくとき、すれ違う通勤客の姿が、どこか遠い世界の住人のように見えてしまう。
この「生活のズレ」は、単なるリズムの乱れを越えて、社会との繋がりが薄れていくような不安を呼び起こします。自分の時間が切り取られ、別の次元で生きているような疎外感。それが積み重なると、何のために働いているのか、このままで自分は大丈夫なのだろうかという、答えのない問いが頭をもたげてくるのです。
夜勤がつらいというのは、決して甘えでも、体力が足りないせいだけでもありません。あなたがその静かな夜の中で、誰かの命を守ろうと心を張り詰めさせてきた。その尊い証拠なのです。
「もう夜勤に入りたくない」と思う今の自分を、どうか責めないでください。決断を急ぐ必要もありません。いまの場所で夜勤を続けていくのか、それとも別の働き方を探してみるのがいいのか。その答えがどちらであったとしても、あなたがこれまで夜の病棟で戦ってきた事実は、何ら変わることはないからです。
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