新しい季節になり、病棟には新人さんが増えたり、環境が変わったりする時期ですね。そんな中で、特に「指示」について悩んでいませんか?「看護師さんからの指示、きちんと聞き取れているかな?」「これで合っているか不安…」「もし間違っていたらどうしよう」と、わたしも最初は毎日のように感じていました。
看護助手にとって、看護師さんからの指示は業務を進める上で欠かせないものですよね。でも、慌ただしい病棟では、なかなか落ち着いて指示を聞くのが難しい場面もあります。今日は、そんな皆さんの不安が少しでも軽くなるように、指示をスムーズに受け、自信を持って動けるようになるためのコツをお話しさせてくださいね。
まず、皆さんは「指示」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?「あれをして」「これを手伝って」といった、業務を割り振られること、と感じる方が多いかもしれませんね。
でも、わたしはこう考えています。看護師さんからの指示は、「患者さんの安全と快適な療養生活を守るための、大切な情報伝達」だと。わたしたちは、その情報を正確に受け取り、看護師さんと連携して患者さんを支える役割を担っています。だからこそ、指示を正しく理解し、実行することはわたしたちの仕事の質を大きく左右するんです。
看護助手ができる業務の範囲は、医療行為以外の、患者さんの身の回りのお世話や環境整備が主です。しかし、この範囲内でも、患者さんの状態や看護師さんの意図を汲み取って動くことが求められます。例えば、「Aさんの体位交換をお願いします」という指示一つとっても、その患者さんの皮膚の状態や体力が考慮されていることが多いですよね。わたしたち看護助手は、医療の専門家である看護師さんの「目」となり、「手」となって、患者さんにとって最適なケアを提供するための重要な一員なんです。ですので、どんな小さな指示でも、その背景にある意図を少しでも想像してみると、受け取り方が変わってくるかもしれません。
忙しい病棟で、いかにして指示を正確に聞き取るか。わたしが実践している3つのステップをご紹介しますね。
看護師さんが声をかけてくれたら、まずは一度手を止めて、相手の方に体を向けて目を見て話を聞くようにしています。「はい」と返事をするだけでも、聞く姿勢が伝わりますよね。わたしは、可能であればメモとペンを常にポケットに入れておいて、すぐに書き留められるように準備しています。これで、聞き漏らしや勘違いをぐっと減らせるんです。
指示を受けたら、「〇〇さんの清拭ですね、承知いたしました」のように、内容を簡潔に繰り返して確認するようにしています。特に、患者さんのお名前、具体的な内容、時間、場所など、間違ってはいけない情報はできるだけ復唱する習慣をつけると安心です。もし聞き取れなかったり、内容が曖昧だったりしたら、「恐れ入ります、もう一度よろしいでしょうか?」と、その場で素直に尋ねる勇気も大切です。後で間違いに気づくよりも、その場で確認する方がずっと良い結果につながりますよ。
指示を受けたら、「いつまでに」「誰に」「何を」「どのように」行うのかを頭の中で整理します。もし複数の指示を同時に受けた場合は、優先順位をつけたり、他の業務と重ならないか確認したりすることも大切です。わたしは、患者さんの緊急度が高いもの、時間が決まっているものから優先して行うように心がけています。もし自分で優先順位がつけられない時は、「次に何を優先したら良いでしょうか?」と看護師さんに尋ねることも、大切なコミュニケーションですよ。
看護助手として働いていると、「この指示、もしかしてわたしの業務範囲じゃないのでは?」と迷う場面も出てくるかもしれません。特に医療行為に関わる内容は、看護助手が行うことはできません。例えば、「〇〇さんの点滴が終わりそうだから、準備を手伝ってくれる?」といった指示は、点滴の準備自体は看護師の業務範囲ですので、関わるべきではないとされています。
そんな時は、「恐れ入りますが、これは看護師さんにご確認いただく内容ではないでしょうか?」と丁寧に尋ねるようにしています。決して「できません」と突っぱねるのではなく、確認を促す形を取ると、角が立ちにくいと感じました。自分の役割を理解し、できないことはできないと伝える勇気は、結果的に患者さんの安全を守ることにも繋がります。
指示を待って行動することも大切ですが、さらに一歩進んで、自分から積極的に情報共有を行う「報連相(報告・連絡・相談)」の意識を持つと、看護師さんとの連携がもっとスムーズになります。
「〇〇さんの清拭、終わりました」と一言伝えるだけでも、看護師さんは次の指示を出しやすくなります。もし何か変化があった場合(「皮膚が赤くなっていました」など)は、その情報も添えて報告するように心がけましょう。
例えば、病室の清掃中に患者さんの私物が壊れてしまった、備品が足りなくなっていたなど、業務に影響があることや、患者さんの安全に関わることであれば、すぐに看護師さんに連絡しましょう。些細なことでも、早めに伝えておくことで大きな問題を防げることもあります。
「〇〇さんが少し気分が悪そうですが、どうしたらいいでしょうか?」「この業務、これで合っているか不安で…」など、判断に迷うことや、自分では解決できないことは、遠慮なく看護師さんに相談しましょう。一人で抱え込んでしまうと、患者さんの安全を脅かすことにもなりかねません。看護師さんは、わたしたちの頼れる先輩です。
わたしも最初の頃は、看護師さんに話しかけるのが少し緊張しました。でも、勇気を出して相談するようになってから、看護師さんとの信頼関係も深まり、安心して仕事ができるようになったと感じています。看護師さんも、わたしたちが何を考えているか、何に困っているかを知ることで、より的確な指示やサポートができるようになりますからね。
詳しくは「看護助手に向いている人・向いていない人の特徴」でも現場のポイントを詳しく解説しています。
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「指示が怖い…」をなくす!看護助手のあなたへ、スムーズな指示受けのコツでお伝えした内容を振り返ると、日々の現場で大切にしたいポイントが幾つか見えてきます。
すぐに試しやすい行動のヒントは次の通りです。
指示を正確に聞き取るための3つのステップの視点でステップ1:まずは「聞く体制」を整えるに目を向ける
指示を正確に聞き取るための3つのステップの視点でステップ2:重要な情報は「復唱」するに目を向ける
指示を正確に聞き取るための3つのステップの視点でステップ3:自分の中で「何をすべきか」を整理するに目を向ける
あわてず一歩ずつ、チームと情報を共有しながら進めれば大丈夫です。今日の学びを小さく実践し、次の勤務につなげていきましょう。
ペンやメモ帳はナースリーが便利です。現場で必要なサイズやカラーも細かく選べます。
免責事項: この記事は、看護助手としての現場経験に基づく一般的な情報提供を目的としています。職場や地域、個人の状況によって異なる場合がありますので、詳細は勤務先や専門家にご確認ください。