今回は、看護助手のお仕事でよく耳にするけれど、なかなか「直接触れる」機会がない「ルート」、特に点滴ルートについてお話ししたいと思います。
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点滴は、患者さんの治療や栄養補給にとって大切な役割を果たしていますよね。でも、わたしたち看護助手は、点滴の準備や操作、薬剤の投与といった医療行為を行うことはできません。だからこそ、「どこまで関わっていいんだろう?」「何を注意すればいいんだろう?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
わたしも初めて現場に出た際、「ルート」と伺うと、まず「触れてはいけないもの」という印象が先行してしまい、どのように接したら良いのか迷うことがありました。ですが、看護助手という立場だからこそ担える、「患者さんの安全を守る」という、とても大切で多くの役割があるのですね。今回は、そんな「ルート」について、看護助手としての視点から、一緒に学んでいく機会になればと思います。
「看護助手は点滴ルートに触ってはいけない」という言葉、よく耳にしますよね。これは、わたしたちが医療行為である「点滴の操作」を行うことができないという意味です。看護師さんの専門的な知識と技術が必要な部分なので、当然のこととされています。
では、全く関われないのかというと、決してそうではありません。むしろ、患者さんの身近にいるわたしたちだからこそ、できる「安全管理」の役割がとても大きいんです。主に以下のような関わり方が考えられます。
これが看護助手にとって最も重要な役割です。患者さんの体位変換や清拭、おむつ交換などのケアをする際に、点滴ルートがどうなっているか、挿入部位に変化がないかなどを「見る」ことが大切です。何か異常があった場合には、すぐに看護師さんに報告します。
点滴台が患者さんの動きの邪魔になっていないか、ルートがベッドの柵や床に挟まったり、引っ張られたりしていないかを確認し、必要に応じて整えます。点滴が安全にスムーズに落ちる環境を保つお手伝いですね。点滴台の移動をお願いされた際には、ルートが引っ張られないよう、細心の注意を払って行います。
患者さんが「点滴が痛い」「なんか変な感じがする」と訴えられたら、まずは傾聴し、すぐに看護師さんに伝えます。患者さんの不安を和らげることもわたしたちの大切な役割です。わたしも「点滴のところが痒いんだけど…」という声を聞いて、すぐに看護師さんに伝えたことがありました。どんな些細なことでも、患者さんにとっては大きな不快感かもしれませんよね。
直接触れることはできなくても、わたしたちの「目」と「耳」と「気配り」で、患者さんの安全を支えることができるんです。これが、看護助手のルートにおける安全管理の第一歩だと感じています。
点滴ルートの異常を見つけたり、看護師さんに適切に報告したりするためには、最低限の基礎知識があると理解度が深まります。専門的な知識は看護師さんが持っていますが、わたしたちも基本的なことを知っておくと、観察の質が格段に上がると感じています。わたしが「これくらいは知っておくといいな」と感じたことをご紹介しますね。
点滴には、大きく分けて「輸液(水分補給や栄養補給)」と「薬剤(抗生剤や痛み止めなどを投与)」があります。点滴バッグの表記や点滴速度が違うのは、それぞれに目的があるからなんですね。輸液ポンプなどを使っている場合は、自動で正確な量が投与されています。
多くの場合は腕の血管に針が刺されますが、手の甲や足の甲、首元(中心静脈カテーテル)などに挿入されていることもあります。挿入部位によって、患者さんの動きに制限が出たり、観察すべきポイントが変わったりすることもありますので、どこに挿入されているかを確認する習慣をつけると良いかもしれません。
点滴バッグから患者さんの血管まで、チューブ(ルート)が繋がっています。このルートの途中に「点滴筒(水滴が落ちる部分)」や「クレンメ(滴下速度を調節する器具)」などがあります。これらが正しく機能していなければ、点滴は正常に投与されません。特にクレンメが閉じてしまっていたり、ルートが折れ曲がったりすると、点滴が全く落ちなくなってしまうので、注意が必要です。
これらの基本的な知識があると、「なぜこの点滴をしているのか」「どこを注意して見ればいいのか」という視点が持てるようになり、ただ「見る」だけでなく「理解して見る」ことができるようになります。これが、異常の早期発見に繋がる大切な視点になるんですよ。
いよいよ本題です。わたしたち看護助手が患者さんの安全を守るために、具体的にどのような異常に気づくべきか、そのポイントをお話しします。日々のケアの中で、意識して観察するだけで、患者さんの急変リスクを大きく減らせる可能性がありますよ。
・腫れ、赤み、痛み:点滴を刺している周りの皮膚が腫れていたり、赤くなっていたりしませんか?患者さんが「チクチクする」「痛い」と訴えることもあります。これは、点滴漏れや炎症のサインかもしれません。挿入部が周りの皮膚と比べて冷たく感じられる場合も、漏れの可能性があります。
・出血:針を刺している部分から血が滲んでいませんか?ドレッシング材の下に血が溜まっていることもあります。
・点滴の滴下不良・閉塞:点滴筒の水滴が落ちてこない、または極端に遅くなっていませんか?ルートがどこかで折れ曲がっていたり、クレンメが閉じてしまったりしている可能性もあります。ポンプを使っている場合はアラームが鳴ることが多いですが、鳴っていなくても滴下がおかしいと感じたら要注意です。
・ルート内の気泡:ルートの中に小さな空気の泡がたくさん見えませんか?少量であれば問題ないこともありますが、大きな気泡や連なって流れている場合は、看護師さんに確認してもらいましょう。
・ルートの破損・外れ:何かの拍子にルートが破損してしまったり、どこかの接続部分が外れてしまったりする可能性もゼロではありません。特に、患者さんが寝返りを打ったり、ベッドから降りようとした際に引っ張られてしまうことがあります。自己抜去にも注意が必要です。
患者さんの表情や訴えに、いつもと違う様子が見られたり、「なんだか気分が悪い」「気持ち悪い」「胸が苦しい」といったお言葉を耳にされることはございませんか?点滴の種類によっては、アレルギー反応や副作用が生じる可能性もあるようです。特に、そういった「いつもと違う」という感覚は、とても大切なサインかもしれませんね。
これらのポイントを、ケアの合間や巡視の際に確認する習慣をつけると、患者さんの安全をいち早く守ることにつながります。慣れないうちは大変かもしれませんが、意識して続けていると、自然と目につくようになるはずです。
異常を発見したら、次にするべきことは「看護師さんへの報告」です。この報告が、患者さんの命を救う命綱になることもあります。だからこそ、正確に、そしてタイムリーに伝えることがとても重要です。
報告する際、「何が」「いつから」「どこで」「どのように」といった具体的な情報を伝えると、看護師さんが状況を素早く把握し、より適切な対応へと繋がりやすくなるかもしれませんね。
例:「〇〇号室の△△さんの点滴なんですが、右手の挿入部が赤く腫れていて、触ると少し冷たい感じがします。患者さんも『少し痛い』と訴えています。5分ほど前におむつ交換した際に気づきました。」
漠然と「点滴がおかしいです」と伝えるよりも、情報が整理されていて分かりやすいですよね。わたしも最初はうまく伝えられませんでしたが、先輩に聞かれるうちにだんだん伝えられるようになりました。
「これくらいなら大丈夫かな?」「気のせいかな?」と、自分の判断で様子を見てしまうのは危険です。わたしたち看護助手は医療行為ができませんから、異変を感じたら、どんなに些細なことでもすぐに看護師さんに報告する勇気が大切です。早期発見・早期対応が、患者さんの症状悪化を防ぐことにつながります。
日頃から看護師さんと良いコミュニケーションをとっておくことも大切です。報告しやすい関係性であれば、些細なことでも躊躇なく伝えられますよね。お互いに協力し合うことで、より質の高いケアが提供できると信じています。
詳しくは「患者さんの食事介助で困っていませんか?看護助手が教える、安全でスムーズに進めるための具体的な手順と注意点」でも現場のポイントを詳しく解説しています。
すぐに形にしやすい工夫を、3つに絞ると次の通りです。
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