2026年度の診療報酬改定について、「引き上げ」の方向で最終調整に入ったという報道が続いています。
医師や看護師、医療スタッフの賃金に関わる「診療報酬本体」は、約3%台のプラス改定になる見通しです。
看護助手は注射や点滴などの医療行為を担当できません。必要な処置がある場合は、看護師に共有して指示を仰ぎましょう。
医療現場で働く立場として、このニュースを聞いたとき、正直に言えば「ようやくここまで来た」という思いと、「これで足りるのだろうか」という不安の両方が浮かびました。
この改定は、医療を立て直す一歩なのか。それとも、崩れかけた現場を何とか支えるための応急処置なのか。
2026年度の診療報酬改定は、全体としてプラス改定(引き上げ)となる見込みです。とくに注目されているのが、医療従事者の人件費や技術料に直結する診療報酬本体です。
報道では、この本体部分の引き上げ率が約3.09%になる方向で調整されているとされています。
これは1996年度以来とされる水準で、数字だけを見ると大きな改定に見えます。
ただ、現場で働いていると、「これまで据え置かれてきた分を、ようやく取り戻しにいく改定」という印象のほうが強いのが正直なところです。
一方、薬価は小幅な引き下げが見込まれており、全体としてはプラス改定になる構成です。
わたしは今回の診療報酬引き上げを、医療現場の厳しさが、ようやく制度の側に伝わった結果だと受け止めています。
ただし、これは「医療現場に余裕をもたらす改定」ではありません。
むしろ、
そうした危機感が、ようやく形になった改定だと感じています。
現場では以前から、
という声をよく耳にしてきました。
今回の引き上げは、そうした声に対する最低限の応答だと思っています。
医療現場も、物価高の影響を強く受けています。
これらは着実に医療機関の負担になっています。
ただ、一般企業と違い、医療機関は自由に価格を上げることができません。診療報酬が決まっている以上、コスト増はそのまま経営を圧迫します。
現場で働いていると、「見えないところで、かなり無理をしている」という感覚を強く持ちます。
医療現場の人手不足は、もはや「忙しい」という言葉では表せない段階に来ています。
こうした状況が重なり、現場には常に余裕がありません。
私自身、
「これ以上人が減ったら、回らない」
という緊張感を抱えながら働く日もあります。
診療報酬の引き上げは、この人手不足を一気に解決するものではありません。それでも、改善に向けた前提条件だと感じています。
近年、赤字経営に苦しむ医療機関は増え続けています。
特に地方では、
が重なり、経営は非常に厳しい状況です。
こうした中で、日本医師会をはじめとする医療団体が、「このままでは医療が続かない」と強く訴えてきました。
現場で働く一人としても、その危機感は決して大げさではないと感じています。
3%台という数字は、確かに目を引きます。
ただ、現場感覚では、
というのが率直な印象です。
それでも、引き上げがなければ、さらに厳しくなるという現実があります。
わたしはこの3%台を、「希望」ではなく「踏みとどまるためのライン」として受け止めています。
今回の診療報酬改定で一番大切なのは、引き上げたという事実ではありません。
これらが伴わなければ、改定の意味は薄れてしまいます。
制度が決まったあとも、「現場でどう使われているか」を見続けることが必要だと感じています。
診療報酬は原則として2年に1度見直されます。
2026年度改定の改定率は、年内に正式決定され、最終的には首相決裁を経て確定する見通しです。
今後は、
が、より重要になってきます。
参考: NsPace Career 看護助手の転職・年収コラム
詳しくは「看護助手から看護師への最短ルート|准看護師vs正看護師」でも現場のポイントを詳しく解説しています。
ただし、それはゴールではありません。
すぐに形にしやすい工夫を、3つに絞ると次の通りです。
新人に十分な指導時間が取れない
患者数の減少