医療現場で働く看護助手の皆さん、日々お疲れ様です。患者さんのケアを献身的に行い、チームの一員として貢献されていることと思います。今回は、看護助手として患者さんとより良い関係を築き、チームワークを円滑にするためのコミュニケーション術について、わたしの経験も交えながらお話しします。
患者さんは、病気や怪我、入院によって様々な不安を抱えています。少しでもその不安を和らげるために、まずは笑顔で接することが大切です。わたしは、患者さんと接する際は、意識して笑顔を作るようにしています。もちろん、状況によっては笑顔だけでは済まないこともあります。患者さんの状態を観察し、不安そうな表情をしていたら、「何か困っていることはありますか?」など、積極的に声をかけるようにしています。言葉遣いも重要です。
丁寧な言葉遣いを心がけ、患者さんの気持ちに寄り添うように話すことで、信頼関係を築くことができます。例えば、患者さんの名前を呼ぶときには、「〇〇さん」と呼ぶようにしています。また、指示を出す際には、命令口調にならないよう、「〇〇をお願いします」や「〇〇をしていただいてもよろしいでしょうか?」など、相手への配慮を示すようにしています。ある日のことです。初めての入院で不安そうな表情をしていた患者さんがいました。
わたしは、その患者さんに「何か心配なことはありますか?」と声をかけました。すると、「検査が怖い」と話してくれました。そこで、検査の内容や手順をわかりやすく説明し、検査中も側にいることを伝えました。その患者さんは少し安心したようで、検査に臨むことができました。このように、患者さんの気持ちに寄り添い、不安を取り除くことが、信頼関係を築く第一歩だと感じています。
患者さんの話をしっかりと聞くことも、信頼関係を築くために不可欠です。患者さんの訴えを真剣に聞き、共感することで、患者さんは安心感を得ることができます。傾聴する際には、以下の点に注意しています。まず、患者さんの目を見て話を聞くようにしています。相手の目を見ることで、真剣に話を聞いているという意思表示になります。次に、相槌を打ちながら話を聞くことで、患者さんが話しやすくなります。
例えば、「なるほど」「そうだったんですね」など、相手の言葉を繰り返したり、共感の言葉を伝えたりすることで、患者さんは自分の話を理解してもらえていると感じることができます。また、患者さんの話を遮らずに、最後まで聞くように心がけています。途中で口を挟むと、患者さんは話す気が失せてしまうことがあります。話の途中でわからないことがあれば、話が終わった後に質問するようにしています。
質問する際には、「〇〇について、もう少し詳しく教えていただけますか?」など、相手に配慮した言葉遣いを心がけています。患者さんの中には、自分の症状や気持ちをうまく言葉で表現できない方もいます。そのような患者さんの場合は、表情や仕草を注意深く観察し、言葉の裏にある感情を読み取ることが大切です。患者さんの言葉に耳を傾け、その奥にある思いを理解しようと努めることで、より深い信頼関係を築くことができると思います。
看護助手は、患者さんのケアに関する様々な情報を得ることができます。これらの情報を、看護師や他のスタッフと共有することで、より質の高いケアを提供することができます。情報共有を行う際には、以下の点に注意しています。まず、患者さんの状態に関する情報を、正確かつ簡潔に伝えるように心がけています。例えば、バイタルサインの変化や、食事の摂取状況、排泄状況など、重要な情報を記録し、看護師に報告します。
看護助手は注射や点滴などの医療行為を担当できません。必要な処置がある場合は、看護師に共有して指示を仰ぎましょう。
記録する際には、客観的な事実に基づき、主観的な意見は入れないようにしています。次に、患者さんの訴えや、困っていることについても、積極的に報告します。例えば、「〇〇さんが、夜中に眠れないと訴えていました」など、患者さんの言葉をそのまま伝えるようにしています。患者さんの訴えを共有することで、看護師は適切な対応を検討することができます。また、チーム内で積極的にコミュニケーションを取ることも大切です。
日々の業務の中で、分からないことや困ったことがあれば、遠慮なく看護師や他のスタッフに質問するようにしています。質問することで、自分の知識やスキルを向上させることができますし、チーム全体の連携も強化されます。チーム全体で情報を共有し、協力し合うことで、患者さんにとって最善のケアを提供することができると思います。
詳しくは「看護助手・看護補助者・介護助手・ナースエイドの違いを整理」でも現場のポイントを詳しく解説しています。
「笑顔と思いやりの心で、患者さんの不安を和らげる」の場面でつまずきやすい点を、無理のない手順に落とし込みました。
「いま一番困っていること」だけでも言葉にできると、相談もしやすくなります。無理のない範囲で整えていきましょう。